第27回キャリアコンサルタント試験 出題テーマ解説(問31〜40)|メンタルヘルス・カウンセリング基礎をやさしく整理

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問1〜30に続き、今回は問31〜問40で扱われたテーマを解説します。試験問題の文章そのものは転載せず、出題されたテーマの背景知識をオリジナルの解説としてまとめています。正確な問題文を確認したい方は、下記の公式サイトをご覧ください。

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問31:ストレスチェックと安全配慮義務

労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度は、常時50人以上の労働者を使用する事業場に実施義務があります。労働者数が85名の事業場であれば、義務の対象になる点に注意が必要です(「義務はない」と誤解しないようにしましょう)。高ストレス者と判定された労働者から申出があった場合、事業者は医師による面接指導を実施し、その結果に基づいて就業場所・時間の変更などの措置を講じることが求められます。また、集団ごとの集計・分析結果を職場環境の改善に活用することも推奨されています。

問32:多文化キャリアカウンセリング

多文化キャリアカウンセリングの基礎として重視されるのは、カウンセラー自身の内にある「バイアス(偏った見方)」を十分に意識することです。クライアントのバイアスをどうにかしようとするのではなく、まず支援する側であるカウンセラー自身が、自分の価値観や先入観に自覚的であることが、文化的背景の異なるクライアントを支援するうえでの出発点とされています。

問33:ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン

厚生労働省のガイドラインでは、ひきこもりは特定の精神疾患の病名(診断名)ではなく、様々な要因が背景にある状態像として位置づけられています。「DSM-IVで定義された病名である」という理解は誤りです。おおむね6か月以上にわたり社会的参加を回避し家庭にとどまり続けている状態を指し、いじめ・家族関係の問題・病気など複数の要因が複合的に関わっていることが多いとされます。長期化すると社会経験を積む機会が失われるため、再チャレンジを支援する仕組みが重要とされています。

問34:開かれた質問(オープン・クエスチョン)

「〇〇について話してくれませんか」というような問いかけは、相手が自由に答えられる開かれた質問の典型例です。クライアントに自由な発言を促し、答え始めるまでに時間を要することもある一方、意図が曖昧にならないよう、質問の趣旨が相手に明確に伝わる工夫も必要です。

問35:マイクロカウンセリングにおけるカウンセラーの自己開示

自己開示とは、カウンセラーが自分自身の体験や感情をクライアントに表明することです。適度な自己開示は、クライエントと対等な立場に立つ共感性の表明として機能し、クライエントの気持ちを開く効果もあります。ただし、恥ずかしいことや道徳的に疑問のある体験まで、包み隠さずすべて開示するのがよいという考え方は適切ではありません。自己開示は、クライエントの利益になるかどうかを見極めながら、節度をもって行うことが大切です。

問36:ベーシック・エンカウンター・グループ

ロジャーズ(Rogers, C. R.)とその関係者が実践したベーシック・エンカウンター・グループは、参加者が感じたことを自由に率直に話し合いながら、次第に自己理解・他者理解・人間関係を深めていく非構成的なグループ体験です。あらかじめファシリテーターが計画した課題に沿って取り組む形式は、むしろ「構成的」グループエンカウンターの特徴であり、ベーシック・エンカウンター・グループとは区別する必要があります。

問37:職務経歴書の書き方

職務経歴書は、単に自分の経験を羅列するのではなく、応募先企業が知りたいこと・求めていることに応じて内容を組み立てることが重要です。実務経験に自信がない場合でも、趣味や特技だけに偏るのではなく、応募先のニーズに沿った形で自分の経験を伝える工夫が求められます。様式も、応募先企業ごとに一律に決まっているわけではなく、見やすさや伝わりやすさを意識して作成することが望ましいとされています。

問38:カウンセリング・プロセス

カウンセリングの目的は、傾聴を通してクライエントとの間に温かい人間関係を築くことにあります。カウンセリングの効果を評価する基準としては、開始時と比べて問題解決に向けた具体的な行動が明確になり、実行する決心がついているかどうかが挙げられます。目指す目標を具体的かつ明確に示すこと、そして話し合いが実際に進展しているかを継続的に確認する姿勢も、カウンセラーに求められる重要な要素です。

問39:信頼関係の構築

キャリアコンサルティングの初期段階では、指示的・指導的になりすぎないよう留意し、まず信頼関係(ラポール)の構築を重視すべきとされています。信頼関係は、クライエントからキャリアコンサルタントへの信頼だけでなく、キャリアコンサルタントからクライエントへの信頼も含めて双方向に重要です。ビジネスとして行われる面談であっても、信頼関係の構築を意識しなければ、クライエントの自己開示は自然には進みません。

問40:心理テストにおける信頼性

心理テストにおける「信頼性」とは、そのテストで測定した値の安定性・一貫性を意味する概念です。似た概念である「妥当性」(そのテストが測定したい対象を正確に測れているか)と混同しないよう注意しましょう。信頼性はテストの難易度とは直接関係がなく、一般的に項目数を増やすことで高まりやすく、測定値に含まれる誤差の割合が高いほど信頼性は低くなります。


問31〜40は、メンタルヘルス・多文化理解といった支援対象の多様性に関するテーマと、カウンセリングの基礎技法・信頼関係構築が中心でした。**「似た名前の概念(構成的/非構成的、信頼性/妥当性)を正確に区別すること」**が、この範囲の得点のカギになります。次回、最後の問41〜50の範囲を解説します。

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