第28回キャリアコンサルタント試験 出題テーマ解説(問11〜20)|頻出理論・公的支援策をやさしく整理

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前回の問1〜10に続き、今回は問11〜問20で扱われたテーマを解説します。前回同様、試験問題の文章そのものは転載せず、出題されたテーマの背景知識をオリジナルの解説としてまとめています。正確な問題文を確認したい方は、下記の公式サイトをご覧ください。

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問11:カウンセリング理論・心理療法とその提唱者

キャリアコンサルタント試験では、心理療法の名称と提唱者の組み合わせがよく問われます。代表的なものを整理すると、

  • エリス(Ellis, A.):論理療法(REBT)。非合理的な思い込み(イラショナル・ビリーフ)を合理的な考え方に修正するアプローチ。
  • デュセイ(Dusay, J. M.):エゴグラム。交流分析における自我状態のエネルギー配分をグラフ化する手法。
  • フランクル(Frankl, V. E.):ロゴセラピー(実存分析)。人生の「意味」を見出すことを重視する心理療法。
  • 吉本伊信:内観療法。日本発祥で、「してもらったこと」「して返したこと」「迷惑をかけたこと」を振り返る手法。

提唱者と理論名を正確にペアで覚えることが対策のポイントです。

問12:交流分析(バーン)

交流分析は、アメリカの精神科医バーン(Berne, E.)が提唱した理論です。「親(Parent)」「成人(Adult)」「子ども(Child)」という3つの自我状態を想定し、対人コミュニケーションを「相補的交流」「交叉的交流」「裏面的交流」の3パターンに分類して分析します。また、視線を交わす・言葉をかけるといった、相手の存在を認める行為をストロークと呼びます。なお、自我状態のエネルギー配分を図示する手法は「エゴグラム」であり、「エニアグラム」(性格類型論の一種)とは別の概念なので混同しないよう注意が必要です。

問13:学び・学び直しを促進する公的支援策

在職者のリスキリングを支援する制度として、以下のようなものがあります。

  • 社内検定認定制度:企業が独自に行う検定制度のうち、一定基準を満たすものを厚生労働大臣が認定する制度
  • キャリア形成・リスキリング推進事業:ハローワークの機能強化により、在職中からのキャリア相談体制を整備する事業
  • 教育訓練給付講座検索システム:給付金対象講座をインターネットで検索できるシステム
  • キャリコンサーチ:キャリアコンサルタントを検索できるシステム(技能検定1級・2級保有者に限定されるものではなく、幅広い登録キャリアコンサルタントを検索できる点に注意)

制度の対象者・目的の違いを正確に区別することが求められます。

問14:労働者のキャリア形成支援の実態(令和5年度能力開発基本調査)

厚生労働省が実施するこの調査では、企業がキャリアコンサルティングの仕組みを導入している割合や、ジョブ・カードの認知状況などが示されます。**割合が「50%を上回っているか下回っているか」「20%を上回っているか下回っているか」**といった具体的な数値の大小関係が問われやすいため、最新の調査結果を厚生労働省のサイトで確認しておくことが重要です。

問15:教育訓練給付制度

教育訓練給付制度は、厚生労働大臣が指定する講座を修了した際に受講費用の一部が支給される制度で、レベルに応じて「専門実践教育訓練」「特定一般教育訓練」「一般教育訓練」の3種類に分かれます。特に専門実践教育訓練給付金を受給するには、受講前にジョブ・カードを活用したキャリアコンサルティングを受ける必要があるという点は頻出です。また、給付金の受給要件(在職中かどうか、雇用保険の被保険者かどうか)も正確に押さえておきましょう。

問16:ハロートレーニング(公的職業訓練)

公的職業訓練には、主に雇用保険を受給できない求職者を対象とした求職者支援訓練と、雇用保険受給者を主な対象とする離職者訓練があります。実施機関は国(ポリテクセンター)や都道府県(職業能力開発校)など、訓練の種類によって異なります。「どちらが雇用保険受給者向けか」を逆に覚えてしまう受験生が多いポイントなので、丁寧に整理しておくことをおすすめします。

問17:公正な採用選考の基本(就職差別につながる恐れがある把握項目)

厚生労働省が示す「公正な採用選考の基本」では、本人の適性・能力に関係のない事項(本籍・出生地、家族に関すること、住宅状況、生活環境など)を採用選考で把握することは、就職差別につながる恐れがあるとして避けるべきとされています。一方で、本人の適性・能力に関する事項(自覚している性格など)は、把握すべき項目として区別されている点がポイントです。「何が把握してはいけない項目で、何は把握してよい項目か」の線引きを整理しておきましょう。

問18:企業における人材開発

人材開発の役割の一つは、企業の経営戦略の遂行に必要な能力と、現在の人材が持つ能力とのギャップを埋めることです。OJT(職場内訓練)は指導役の力量によって成果に差が出やすいとされ、CDP(キャリア・ディベロップメント・プログラム)は企業が長期的な視点で人材を育成する仕組み全般を指す概念です。OJTが「誰が指導しても差が出ない」という誤った理解をしないよう注意が必要です。

問19:副業・兼業の促進に関するガイドライン

厚生労働省のガイドラインでは、企業が副業・兼業を認める際、労働者の安全・健康への配慮や、業務上の秘密保持、競業避止義務への注意喚起などを行うべきとされています。一方で、副業・兼業が形式的に就業規則に抵触するというだけで、程度や態様を考慮せず一律に懲戒処分を行うことは適切ではありません。個々の事情に応じた柔軟な対応が求められている点がポイントです。

問20:労働力調査(総務省統計局)にみるわが国の労働市場の変化

総務省の労働力調査では、自営業主・家族従業者数、非正規雇用の割合、高齢者の就業率、有期契約労働者数などの推移が示されます。近年の傾向として、高齢者の就業率は上昇傾向にあり、自営業主・家族従業者数は減少傾向にあるなど、直感に反する数値も含まれるため、思い込みで解答せず、最新の統計データを確認する習慣が大切です。


問11〜20は、心理療法・カウンセリング理論と、雇用・労働に関する公的制度が中心でした。理論系は提唱者と概念のペアを正確に覚えること、制度系は対象者や適用条件の細かい違いを整理することが得点のカギになります。次回は問21〜30の範囲を解説します。

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