第28回キャリアコンサルタント試験 出題テーマ解説(問1〜10)|頻出理論・白書をやさしく整理

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キャリアコンサルタント試験の学科試験では、白書や統計調査の内容から、スーパーやホランドといった代表的なキャリア理論まで、幅広いテーマが出題されます。この記事では、第28回試験(2025年3月実施)の問1〜問10で扱われたテーマについて、試験問題そのものを転載するのではなく、そのテーマの背景知識をわかりやすく整理して解説します。

実際の問題文・選択肢は著作権者(特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会・日本キャリア開発協会)に帰属するため、この記事には掲載していません。過去問そのものを確認したい方は、下記の公式サイトからご覧いただけます。

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問1:「令和モデル」(令和5年版男女共同参画白書)

内閣府が公表する男女共同参画白書では、性別役割分担にとらわれず、誰もが希望に応じて家庭でも仕事でも活躍できる社会の姿を「令和モデル」として掲げています。ポイントは、特定の性別を優先するのではなく、男女ともに仕事と家事・育児のバランスを取れる社会を目指すという考え方にあります。長時間労働の是正や男性の育児休業取得促進も、この文脈で語られるキーワードです。

問2:令和5年雇用動向調査(厚生労働省)

厚生労働省が毎年公表する雇用動向調査は、労働者の入職率・離職率を業種別・雇用形態別に示す統計です。この分野の出題では、「どの業種の入職率・離職率が高いか」という具体的な数字を、白書の最新版で確認しておくことが対策のポイントになります。年によって数値が変動するため、直近の調査結果を厚生労働省のサイトで確認する習慣をつけておくと安心です。

問3:キャリアコンサルティングの実施状況(令和5年度能力開発基本調査)

こちらも厚生労働省の調査で、労働者がキャリアコンサルティングをどの程度受けているか、どの機関(企業内の上司か、企業外の専門機関か)を利用しているかといった実態を示すものです。「企業内」と「企業外」のどちらの利用が多いか相談したい内容として最も多い項目は何かといった点は、試験で繰り返し狙われやすいポイントです。

問4:サビカスのキャリア構築理論

サビカス(Savickas, M. L.)は、キャリアを「個人が自分の職業人生に意味を与えていく物語(ナラティブ)」として捉える理論を提唱しました。代表的な概念にキャリア・アダプタビリティがあり、これは関心(Concern)・コントロール(Control)・好奇心(Curiosity)・自信(Confidence)の4つの要素で構成されます。また、幼少期の記憶を尋ねる「キャリア構築インタビュー」という手法も特徴的です。

問5:パーソンズの職業選択理論

パーソンズ(Parsons, F.)は、20世紀初頭のアメリカにおいて、急速な都市化・工業化の中で多くの労働者を効率よく適切な職業に導く必要があるという社会的背景のもとで、職業選択理論を提唱しました。「特性(自分の能力・興味)」と「因子(職業の求める条件)」を科学的にマッチングさせるという考え方は、現在の職業適性検査などの基礎にもなっています。

問6:ホールのプロティアン・キャリア理論

ホール(Hall, D. T.)が提唱した「プロティアン・キャリア」は、ギリシャ神話の変幻自在な神プロテウスに由来する概念です。ポイントは、キャリアが組織によってではなく、個人自身によって主体的に形成されるものとされている点です。自分自身の価値観の変化に応じて、柔軟にキャリアの形を変えていく姿勢が重視されます。

問7:ホランドの職業選択理論

ホランド(Holland, J. L.)は、人のパーソナリティと職業環境を「現実的・研究的・芸術的・社会的・企業的・慣習的」の6つの類型(RIASEC)に分類しました。現実的領域は機械や物を扱う具体的な仕事社会的領域は人と接したり奉仕したりする仕事というように、それぞれの領域の特徴を正確に押さえておくことが重要です。個人と環境の類型が一致するほど、安定した職業選択につながるとされています。

問8:スーパーのライフステージ理論

スーパー(Super, D. E.)は、人が生涯で複数の役割(子供、学生、労働者、家庭人など)を同時に担いながらキャリアを形成していくという「ライフキャリア・レインボー」の考え方で知られています。また、成長・探索・確立・維持・解放(下降)という発達段階を提唱しました。各発達段階でどのような課題が求められるかが頻出の論点です。

問9:動機づけ理論(マズロー・マクレランド・アルダファ・ハーズバーグ)

動機づけに関する理論家は複数出題されやすい分野です。マズローの欲求階層説、マクレランドの達成動機理論、アルダファのERG理論(存在・関係・成長)、ハーズバーグの二要因理論(動機づけ要因と衛生要因)は、それぞれ要求・欲求をどう分類しているか、どんな条件で人のモチベーションが上がるとしているかという違いを整理しておくことが大切です。

問10:マーシャのアイデンティティ・ステイタス

マーシャ(Marcia, J. E.)は、エリクソンのアイデンティティ理論を発展させ、「危機(悩み迷うこと)」と「関与(コミットメント)」の有無によって、アイデンティティの状態を4つに分類しました。特に**「アイデンティティ拡散」**は、危機も関与もまだ経験していない、あるいは経験した後にすべてが可能に思えてしまい身動きが取れない状態を指す用語として、混同しやすいので注意が必要です。


これらのテーマは、白書・統計調査系と理論家系の大きく2つに分かれます。白書・統計は最新版の数値をチェックする習慣、理論家はそれぞれの理論のキーワードを正確に区別することが対策の基本です。次回は問11〜20の範囲を解説していきます。

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