第27回キャリアコンサルタント試験 出題テーマ解説(問11〜20)|カウンセリング理論・労働法制度をやさしく整理

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問1〜10に続き、今回は問11〜問20で扱われたテーマを解説します。試験問題の文章そのものは転載せず、出題されたテーマの背景知識をオリジナルの解説としてまとめています。正確な問題文を確認したい方は、下記の公式サイトをご覧ください。

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問11:カウンセリング理論・心理療法とその提唱者

心理療法の名称と提唱者の正しい組み合わせを整理しておきましょう。

  • ウォルピ(Wolpe, J.):系統的脱感作法。不安や恐怖を引き起こす場面を段階的にイメージさせながら、リラクセーションで緊張を和らげていく手法。
  • バーン(Berne, E.):交流分析。「親・成人・子ども」の自我状態から対人関係を分析する理論。
  • 森田正馬:森田療法。日本発祥の心理療法で、不安をあるがまま受け入れる姿勢を重視する。
  • ジェンドリン(Gendlin, E. T.):フォーカシング。身体で感じる漠然とした感覚(フェルトセンス)に注意を向ける技法。

提唱者と療法名を正しいペアで覚えることが対策の基本です。

問12:行動療法における「モデリング」

モデリングとは、ある行動を実際に自分が行うのではなく、他者がその行動を行う様子を観察するだけで、観察者自身にも同じ行動が生じやすくなる学習のことです。バンデューラ(Bandura, A.)の社会的学習理論に基づく概念で、直接体験しなくても、モデルとなる人の行動を見るだけで学習が成立する点が特徴です。トークン・エコノミー法や系統的脱感作法など、似た名前の他の行動療法の技法と区別して理解しておきましょう。

問13:求職者支援制度の対象者要件

求職者支援制度は、雇用保険を受給できない求職者が職業訓練を通じてスキルアップし、早期就職を目指すための公的制度です。対象者は雇用保険の被保険者・受給資格者でないことが要件の一つとなります。職業訓練受講給付金は、訓練修了後に一括で支給されるのではなく、訓練期間中、原則毎月支給されるという点が重要なポイントです。訓練期間中も修了後も、ハローワークが継続的に就職支援を行う仕組みになっています。

問14:職場における学び・学び直し促進ガイドライン(経営側の支援)

このガイドラインでは、労働者の自律的・主体的な学び・学び直しを後押しする経営側の姿勢が重視されています。自己啓発のうち仕事に資するものへの時間的配慮や、Off-JTにかかる費用の企業負担、キャリアコンサルタントなど支援人材の活用などが推奨される一方で、労働者が身につけた能力の評価が組織の方向性と異なるからといって、企業が学ぶ内容を一方的に指導するという対応は、自律的な学びを尊重する趣旨にそぐわないとされています。

問15:人材育成に取り組む事業主等への支援策

代表的な支援策として、正規雇用労働者の処遇改善を支援するキャリアアップ助成金、企業の人材育成課題や従業員のキャリア意識を把握するセルフ・キャリアドック、人材育成の相談支援や研修カリキュラムの提案を行う生産性向上人材育成支援センターなどがあります。それぞれの制度の目的と対象範囲の違いを正確に区別しておくことが大切です。

問16:第11次職業能力開発基本計画

厚生労働省が策定するこの計画は、企業の人材育成支援と労働者の主体的なキャリア形成支援を両輪とする人材育成戦略として位置づけられています。労働市場のインフラ強化として、技能検定などの職業能力評価制度や、職業情報提供サイト(日本版O-NET)の活用推進が掲げられています。「中長期的な日本型雇用慣行の維持」を前面に押し出す方向性ではなく、労働移動の円滑化や人的資本投資の強化といった、変化に対応する方向性が強調されている点に注意が必要です。

問17:教育訓練給付制度

教育訓練給付制度は「専門実践」「特定一般」「一般」の3種類に分かれます。特定一般教育訓練は、労働者の速やかな再就職・早期のキャリア形成に資する講座が対象であり、中長期的なキャリア形成を対象とするのは専門実践教育訓練です。この2つの目的を逆に覚えないよう注意しましょう。また、2024年2月以降、支給申請や受給資格確認の電子申請が可能になっている点も押さえておきたいポイントです。

問18:高度プロフェッショナル制度

労働基準法41条の2に定めるこの制度の導入には、労使で構成する委員会の5分の4以上の多数による決議が必要です(過半数ではない点に注意)。対象業務は厚生労働省令で個別に限定列挙されており、対象者の年収要件は、労働者の平均給与額の3倍を相当程度上回る水準(具体的には1,075万円以上)とされています。そして、対象者本人の同意が必須であり、等級や年収要件を満たしているというだけで本人同意なしに適用することはできません。

問19:ハーシーとブランチャードのSL理論

SL理論(Situational Leadership)は、部下の発達段階(レディネス)に応じてリーダーシップのスタイルを使い分けるという考え方です。能力もやる気も低い部下には手取り足取り指導する「教示的」スタイル、やる気はあるが能力が低い部下には「説得的」スタイル、能力は高いがやる気がやや低い部下には一緒に考える「参加的」スタイル、能力もやる気も高い部下には仕事を任せる「委任的」スタイルが効果的とされます。「部下のタイプ」と「リーダーシップ・スタイルの名称」の対応関係を正確に覚えることがポイントです。

問20:令和5年版労働経済の分析(雇用・失業情勢)

労働経済白書で示される雇用動向のうち、非正規雇用労働者に占める「不本意非正規」(正社員の仕事がないためやむを得ず非正規で働いている人)の割合は、近年低下傾向で推移しているとされています。また、雇用障害者数や外国人労働者数は、2020年以降も基本的に増加傾向が続いている点も、直感に反しやすいポイントとして押さえておきましょう。


問11〜20は、心理療法・カウンセリング理論と、雇用・労働に関する公的制度が中心でした。**「似た名前の制度・理論の目的を取り違えない」「原則の数字(5分の4、3倍など)を正確に覚える」**ことが得点のカギになります。次回は問21〜30の範囲を解説します。

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