第29回キャリアコンサルタント試験 出題テーマ解説(問21〜30)|労働法・キャリア教育をやさしく整理

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問1〜20に続き、今回は問21〜問30で扱われたテーマを解説します。試験問題の文章そのものは転載せず、出題されたテーマの背景知識をオリジナルの解説としてまとめています。正確な問題文を確認したい方は、下記の公式サイトをご覧ください。

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問21:無業者(潜在労働力)の状況(令和6年版労働経済の分析)

労働経済白書では、働く意思はあるが求職活動をしていない「無業者」の実態が示されます。就業を希望しながらも求職活動をしていない人が、活動をしない理由として最も多く挙げるのは「希望する仕事がありそうにない」という点です。就業を希望しない理由(出産・育児・介護等)や、年齢層による無業者数の違いとあわせて、それぞれの理由の順位を正確に押さえておくことがポイントです。

問22:育児・介護休業法

育児・介護休業法では、労働者本人または配偶者の妊娠・出産等の申し出があった場合、事業主に個別周知・意向確認の義務が課されています。子の出生後8週間以内に4週間まで取得できる「出生時育児休業」や、育児休業を1人の子につき2回まで分割取得できる仕組みも整備されています。有期雇用労働者の育児休業取得要件については、法改正により「引き続き雇用された期間が1年以上」という要件は撤廃されており、無期雇用労働者と同様の基準が適用されているという点が重要な変更点です。

問23:雇用・採用時のルール(公正な採用選考・男女雇用機会均等法)

公正な採用選考の観点からは、本籍地や思想・信条など、本人の適性・能力に関係のない事項を尋ねることは避けるべきとされています。一方、「上司や同僚と意見が合わない場合にどう対応するか」といった問題解決能力を問う質問は、業務遂行に関わる適性を確認するものであり、公正採用選考の趣旨に反しません。募集・採用における情報提供を男女で異なる扱いにすることや、業務上の必要性なく身長・体重・体力要件を設けることは、男女雇用機会均等法上の問題(間接差別)につながり得る点にも注意が必要です。

問24:労働基準法上の労働時間・休憩・休日

行政解釈上、労働時間は同一の事業主のもとだけでなく、事業主が異なる事業場で働く場合であっても通算して計算されるとされています(副業・兼業に関する労働時間管理の基本的な考え方です)。休憩時間は、労働時間が8時間を超える場合に少なくとも1時間与えることが基本ルールであり、「12時間超で2時間」という規定はありません。いわゆる36協定は、締結した労働組合の組合員に限らず、その事業場の労働者全体に効力が及びます。また、4週間のうち4日の休日を与える「変形休日制」も、法律上認められた制度です。

問25:労働者派遣法

派遣元事業主には、派遣先の一般労働者との均等・均衡待遇、または一定の要件を満たす労使協定方式のいずれかによる待遇確保が義務づけられています。グループ企業への労働者派遣は、不当な労働条件切り下げを防ぐため、総労働時間ベースでの制限があります。離職後1年以内の労働者を元の企業が派遣労働者として受け入れることは、60歳以上の定年退職者を除き禁止されています。一方で、就業後の直接雇用を予定する「紹介予定派遣」については、例外的に派遣先による事前の面接等が認められている点に注意が必要です。

問26:学習指導要領が示す育むべき資質・能力

小・中・高等学校の学習指導要領では、教育課程全体を通じて育むべき資質・能力として、「知識・技能」「思考力・判断力・表現力等」「学びに向かう力・人間性等」の3つの柱が示されています。「社会情緒的能力」という用語は、この3つの柱を構成する正式な要素としては位置づけられていません。

問27:職場体験前後での「職業レディネス・テスト」活用

職業レディネス・テストは、生徒の仕事内容への興味や自信度を測定し、自己理解を深めるためのツールです。プロフィールを見ながら職業を考えるワークを通じて、世の中の多様な職業への気づきを促し、グループワークを通じて生徒一人ひとりの個性への気づきを促す効果も期待されています。「教員が生徒の適性に沿った職業に興味・価値観を合わせるよう導く」という一方向的な関わり方は、生徒自身の主体的な自己理解を尊重する趣旨とは異なります

問28:高等学校等卒業者の進学率(令和5年度学校基本調査)

学校基本調査では、大学・短期大学・高等専門学校・専門学校それぞれの進学率の推移が示されます。長期的には高等教育機関全体への進学率は上昇傾向にありますが、進学先の種類によって傾向は異なり、必ずしもすべての区分で「過去最高を更新し続けている」わけではありません。短期大学(本科)進学率は平成6年度をピークに低下傾向が続くなど、進学先ごとの違いを最新のデータで確認しておくことが対策のポイントです。

問29:心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援(厚生労働省の手引き)

職場復帰支援では、休業中の経済的保障に関する情報提供、産業医による主治医からの意見収集(本人同意のうえ)、復帰後の本人の状況について上司からも意見を聞くことなど、段階を踏んだ丁寧な支援が求められます。最終的な職場復帰の可否を判断するのは、主治医でも社員本人でもなく、事業者(会社)が総合的に判断するものとされており、「主治医の判断に基づき社員自身が最終決定を行う」という理解は、この手引きの基本的な考え方とは異なります。

問30:発達障害者の雇用に際して職場が配慮すべき事項

発達障害のある人への職場配慮としては、個々の能力に応じた職務の創出、ジョブコーチ制度の活用、音・光・匂いなど感覚面への配慮などが挙げられます。ミスが生じた際に、本人が非難されたと感じるような強い口調や大きな声で注意することは、明らかに不適切な対応です。感覚の過敏さや対人関係の受け止め方に配慮しながら、落ち着いた分かりやすい伝え方で対応することが求められます。


問21〜30は、労働関連の法規(育児・介護休業法、労働基準法、労働者派遣法)と、学校教育・職場復帰支援・発達障害配慮といった支援分野が中心でした。**「法改正で変わった要件を最新の状態で覚えること」「配慮のつもりが逆効果になる対応を見抜くこと」**が、この範囲の得点のカギになります。次回は問31〜40の範囲を解説します。

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