問1〜40に続き、今回は問41〜問50、第26回試験のラストパートを解説します。試験問題の文章そのものは転載せず、出題されたテーマの背景知識をオリジナルの解説としてまとめています。正確な問題文を確認したい方は、下記の公式サイトをご覧ください。
問41:厚生労働省編職業分類(2022年改定・第5回改定)
2022年の改定は、国際標準職業分類に準拠するという観点から行われました。大分類では複数の項目を統合して新たな分類項目を設定し、中分類でも新設・分割・名称変更などの見直しが行われています。小分類・細分類のレベルでも、統合と分割・細分化の両方が組み合わさる形で整理されており、改定の全体像を「大分類・中分類・小分類それぞれで何が行われたか」という単位で押さえることが対策のポイントです。
問42:大学のキャリア形成支援における個別相談能力
大学のキャリア相談担当者には、心身に不安を抱える学生を必要に応じて学内外の専門機関へリファーする判断力や、求人情報を的確に提供する力、エントリーシートやジョブ・カード作成の支援力などが求められます。「長期的視野からの支援ではなく、短期的な就職活動支援の達成だけを目指すべき」という考え方は適切ではなく、学生の将来を見据えた長期的な視点を持ちながら支援することが重要とされています。
問43:自己啓発の支援とトライアル雇用
自己啓発支援において、職業体験の目的はキャリアコンサルタントとクライエントの双方で共有しておくことが望ましいとされます。啓発的経験には、インターンシップやトライアル雇用、職場見学に加えて、本人にとって有益な体験となるアルバイトも含まれる場合があります。トライアル雇用についても、参加後の振り返りは重要なプロセスであり、省略してよいものではありません。また、トライアル雇用は当該事業所への就職を保証するものではない点にも注意が必要です。
問44:意思決定支援におけるキャリア・プランの作成支援
キャリア・プランは、状況の変化に応じて柔軟に見直してよいものであり、一度決めたら変更を避けなければならないという性質のものではありません。職業人生と家庭生活のどちらを優先すべきかという一律の序列があるわけでもなく、双方のバランスを考慮した支援が求められます。キャリア・プランには短期的視点と長期的視点の両方が含まれ、目標達成に必要な学習・訓練に関する情報提供も、キャリアコンサルタントの重要な役割の一つです。
問45:方策の実行の支援
方策を実行に移す段階では、やる気だけでなく自己効力感(自分にはできるという感覚)を高めることが重要です。予想される困難や問題点への対処方法をあらかじめイメージしておくことは、相談者を萎縮させるのではなく、むしろ自己効力感を高める効果が期待できるとされています。他者がうまく行動している様子を観察する「モデリング」も同様の効果があります。また、方策実行中はキャリアコンサルタントが常にそばで支援できるとは限らないため、事前に相談者へ自己モニタリングの方法を身につけてもらうことが有効です。
問46:相談過程の終結
終結を話題にする際には、相談者に生じる様々な感情(不安、寂しさなど)を丁寧に扱い、表現を促すことが望ましいとされ、感情面を避けて通ることは適切ではありません。「大丈夫です」と笑顔で答える相談者に対しても、その裏に分離不安が隠れている可能性を意識する視点が必要です。終結にあたっては、当初の主訴や目標と照らし合わせて相談者の変化を振り返ること、そして終結後にどのような職業生活を送りたいか、希望や期待を語ってもらうことも大切なプロセスです。
問47:セルフ・キャリアドックの各メニュー
セルフ・キャリアドックの趣旨を伝える事前説明会をキャリアコンサルタントが担当することは、その後の面談への「顔合わせ」としても効果的です。集合研修は、趣旨の理解だけでなく、参加者同士が刺激し合う相互啓発の機会としても期待できます。研修時のアンケートで得た気づきを、その後の個別面談の参考にすることも有効です。実施後のフォローアップをキャリアコンサルタントが担うことも、セルフ・キャリアドック全体の効果を高める要素とされています。
問48:企業領域のキャリアコンサルタントに必要なネットワーク
社内に産業医や健康管理室があるからといって、キャリアコンサルタント自身がメンタルヘルスや精神疾患に関する知識を身につける必要がなくなるわけではありません。多様な働き方に関する外部機関からの情報収集や、社内外の組織開発の専門家との学び合い、遠隔地の学生向けにオンラインプログラムを協働で作成するといった取組みは、いずれもキャリアコンサルタントに求められるネットワーキングの好例です。
問49:キャリアコンサルタントとしての倫理と姿勢
自分の専門能力や業務範囲を実態より誇張してPRすることは、専門職としての誠実性に反します。自分自身の心身の不調を隠したまま無理に面談を続けることも、クライエントへの適切な支援という観点から望ましくありません。相談の中で業務範囲外と思われる話題(子どもの不登校など)が出てきた場合も、性急に面談を打ち切ってリファーするのではなく、まず丁寧に話を聞いた上でリファーの要否を判断する姿勢が求められます。同僚が専門的な訓練を受けずにアセスメントを使おうとしていた場合、それを指摘し改善を求めることは、専門職としての適切な行動です。
問50:キャリアコンサルタント倫理綱領
キャリアコンサルタントには、社会・経済・技術・環境の動向に常に関心を払い、資格の維持にとどまらず専門性の維持向上・深化に努めることが求められます。組織内でキャリア形成支援を行う場合であっても、相談で知り得た情報を関係部門と「詳細に」共有することは守秘義務の観点から適切ではなく、必要最小限の範囲にとどめるべきとされています。支援の質を保つうえでは、画一的な手順に頼るのではなく、個々のクライエントに応じた柔軟な対応が重視されます。また、組織に所属して活動する場合であっても、組織の利益を守ることを最優先の目的とするのではなく、労働者個人の利益にも配慮したバランスの取れた姿勢が求められています。
これで第26回試験、問1〜50すべてのテーマ解説が完成しました。全体を通して、**「義務・推奨・禁止の区別を正確にすること」「配慮のつもりが逆効果になる対応を見抜くこと」「クライエント本人の意思・利益を中心に据える姿勢」**という視点が、繰り返し問われていたことがわかります。次の試験対策にも、ぜひこの視点を活かしてみてください。
※本記事の解説は、キャリア理論・労働法規に関する一般的な知識をもとに作成したものです。公式の正答表と必ず照らし合わせてご確認ください。
