イランの最高指導者 アリ・ハメネイ の死去を受け、後継者として選ばれたのが次男の モジタバ・ハメネイ 師です。
これまで公の場にほとんど姿を見せず「影の実力者」とも呼ばれてきた人物ですが、イランの強力な軍事組織 イラン革命防衛隊 と深い関係を持つとされ、国内外で大きな注目を集めています。さらに過去には反体制デモの鎮圧に関与したとされるなど、その強硬姿勢も指摘されています。
この記事では、モジタバ師とはどのような人物なのか、経歴や権力基盤、そしてイランの最高指導者がどのように決まるのかをわかりやすく整理します。


イラン新最高指導者モジタバ師とは?経歴と権力基盤
米国とイスラエルの攻撃で最高指導者 アリ・ハメネイ が死亡した後、後継者として選ばれたのが次男の モジタバ・ハメネイ 師です。
これまで公の場にほとんど姿を見せてこなかった人物ですが、イラン体制の中では長年「影の実力者」と見られてきました。
モジタバ師の経歴
モジタバ師は1969年、イラン北東部の都市マシュハドで生まれました。
高校卒業後、イランの精鋭軍事組織
イラン革命防衛隊
に入隊し、1980~1988年の
イラン・イラク戦争
に従軍した経験があります。
その後、イスラム教シーア派の聖地コムで神学を学び、宗教指導者として活動を開始。神学校で教える立場にもなり、宗教界の人脈を広げていきました。
さらに保守派政治家の娘と結婚することで、体制内での政治的基盤も強めていきます。
革命防衛隊との強い関係
モジタバ師の最大の権力基盤とされるのが革命防衛隊との関係です。
革命防衛隊は、
- 軍事力
- 情報機関
- 経済企業
を持つ巨大組織で、イラン政治に強い影響力を持っています。
特に革命防衛隊傘下の民兵組織
バシジ
とも関係が深いとされ、体制強硬派の中心人物と見られてきました。
2009年の反体制デモ鎮圧
モジタバ師の名前が国際的に知られるようになったのは2009年の出来事です。
この年の大統領選挙では、強硬派の
マフムード・アフマディネジャド
元大統領を支持。
しかし選挙後、「不正選挙だ」とする大規模な抗議デモが発生しました。
このときモジタバ師は、革命防衛隊やバシジとともに
- 抗議デモの武力鎮圧
- 反体制派の取り締まり
に関与したと報じられています。
このため米国は2019年、モジタバ師を制裁対象に指定しました。
「影の実力者」と呼ばれた理由
モジタバ師は長年、公の政治活動をほとんど行ってきませんでした。
例えば、
- 金曜礼拝での説教
- 政治演説
- 公的なテレビ出演
などをほとんどしていないとされています。
そのため、多くのイラン国民は
「声すら聞いたことがない指導者」
とも言われてきました。
しかし裏では、父ハメネイ師の側近として政治や宗教界との調整を担い、体制内で影響力を持っていたと見られています。
イラン最高指導者はどうやって決まるのか
イランの最高権力者は「大統領」ではなく
最高指導者(Supreme Leader)です。
このポストを決めるのが
専門家会議
という宗教指導者で構成された機関です。
決定の流れ
最高指導者は次のような手順で選ばれます。
① 専門家会議が候補者を審議
② 宗教的資格や政治的影響力を評価
③ 投票によって指導者を選出
任期は決まっておらず、
基本的には終身職
です。
また、専門家会議には最高指導者を監督し、必要であれば解任する権限もあります。
世襲に近い体制との批判
今回、モジタバ師が最高指導者になったことで、
「事実上の世襲ではないか」
という批判も出ています。
1979年の
イラン革命
は王政を倒して成立しました。
そのため、
- 権力の世襲
- 一族支配
は革命の理念に反すると考える人も少なくありません。
まとめ
モジタバ師は
- 最高指導者ハメネイ師の次男
- 革命防衛隊と深い関係を持つ強硬派
- 2009年の反体制デモ鎮圧への関与が指摘
- 公の場にはほとんど姿を見せない「影の実力者」
として知られてきました。
そしてイランでは、宗教指導者で構成される「専門家会議」が最高指導者を選出する仕組みになっています。
今回の後継決定は、革命防衛隊と宗教指導層の力関係を反映したものとも言われており、今後のイラン政治や中東情勢に大きな影響を与える可能性があります。
