外国人問題は自民党総裁選の争点となるか?

政治

日本を訪れる外国人は年々増え、2024年にはコロナ前を超えるインバウンド(訪日外国人観光客)数を記録しました。観光業や労働力の面で外国人は不可欠な存在となりつつありますが、その一方で 土地の買収・不法滞在・観光地でのトラブル など、社会的な課題も浮き彫りになっています。

2025年の自民党総裁選では、物価高や安全保障と並び、こうした 「外国人問題」 が政策論争の重要なテーマのひとつになると見られます。


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外国人による土地取得と安全保障の懸念

なぜ土地問題が注目されるのか?

外国資本が日本国内で土地を購入する動きは、経済活動の一環ですが、安全保障の観点から次のような懸念が出ています。

  • 自衛隊基地や原発周辺 の土地が外国資本に買収されるリスク
  • 北海道や沖縄など 観光地の広大な土地買収 による地域影響
  • 水源地や山林 の取得で、日本の自然資源が外資の支配下に置かれる可能性

政府は2021年に「重要土地等調査法」を制定し、基地や原発周辺を規制対象にしましたが、規制対象が狭く、抜け道も多いとの指摘があります。

👉 総裁選では「規制をさらに強化すべきか、それとも投資を妨げないようバランスを取るか」が争点になりそうです。


不法滞在と治安の問題

増える不法滞在者

出入国在留管理庁によると、日本における不法滞在者数は増加傾向にあります。

  • 短期ビザ(観光目的など)で入国し、そのまま滞在
  • 技能実習制度 を利用後に失踪し、不法就労するケース
  • 窃盗や詐欺など、一部が犯罪に関与する事例

一方で、日本は少子高齢化が進み、外国人労働者がいなければ人手不足が深刻化 する産業(介護・建設・農業など)も多いのが現実です。

👉 総裁選では「治安維持を優先して規制を強化するのか」「人材確保のために受け入れを広げるのか」のバランスが議論されるでしょう。


観光地でのマナー違反と地域社会の摩擦

奈良の鹿問題

奈良公園では、外国人観光客が鹿に対して

  • 過剰に触る・追いかける
  • 食べ物を与える(ビニールや紙くずまで)
    といった行為が相次ぎ、鹿の事故や健康被害が問題となっています。

京都・富士山・大阪の例

  • 京都:舞妓の無断撮影や私有地への立ち入り
  • 富士山:ゴミのポイ捨てや登山ルール違反
  • 大阪・東京:民泊トラブルや繁華街での迷惑行為

観光は経済に恩恵をもたらす一方で、 オーバーツーリズム(観光公害) が地域住民の生活を圧迫し、摩擦を生んでいます。

👉 総裁選では「観光立国」と「地域住民の生活保護」をどう両立させるかが問われます。


外国人問題と自民党総裁選の争点

土地取得・不法滞在・観光トラブルへの対応は?

2025年9月、自民党総裁選に立候補した5人の候補者が「報道ステーション」に出演し、外国人政策について議論しました。
外国人による土地取得、不法滞在、社会保障の利用などをめぐる課題は、国民の関心が高まっており、総裁選の重要な争点の一つになっています。

ここでは、5人の候補者の発言を整理し、スタンスの違いを比較します。

林芳正 官房長官

  • 発言のポイント
    「総量をコントロールすることが大事。1カ所に集中すると違法でなくても摩擦が生まれる。じわじわと薄く広く対応していく」
  • スタンス
    • 移民や外国人労働者の「数」を調整し、偏在を防ぐことを重視
    • 地域社会への影響を「緩やかに吸収させる」現実的な調整型アプローチ

高市早苗 前経済安保担当大臣

  • 発言のポイント
    「経済目的や福祉目当ての入国はやめてもらう。土地取得問題も含めて政府の総力を挙げる」
  • スタンス
    • 難民や経済目的の入国を強く制限
    • 外国人による土地取得を国家安全保障上の課題として規制強化
    • 最も規制色の強い姿勢

茂木敏充 前幹事長

  • 発言のポイント
    「ルールを守れない人には厳格対応。司令塔機能を強化し、土地取得にも総合的な対策を」
  • スタンス
    • 「ルール順守」を基準とし、不法行為に厳格対応
    • 司令塔を設け、政府一体での対応を重視
    • 規制と柔軟な受け入れのバランス型

小林鷹之 元経済安保担当大臣

  • 発言のポイント
    「ルールを守らない外国人には厳しく。ビザ申請を強化し、重要土地規制を拡充。不動産取得規制も検討」
  • スタンス
    • ビザ申請の厳格化を提案
    • 安全保障上の土地取得をさらに規制
    • 安全保障を軸に規制を拡大する姿勢

小泉進次郎 農水大臣

  • 発言のポイント
    「違法行為や制度の不適正利用は是正。土地や不動産は透明化。総理が司令塔となり年内にアクションプランを」
  • スタンス
    • 制度の透明性を高めることを重視
    • 規制よりも「ガバナンス強化」で対応
    • 実務型で改革色を打ち出す
候補者主な焦点スタンス
林芳正外国人の「総量」コントロール現実的な調整型
高市早苗難民制限・土地規制最も規制強化寄り
茂木敏充ルール順守・司令塔設置バランス型
小林鷹之ビザ厳格化・土地規制拡充安全保障重視の規制派
小泉進次郎不正利用是正・透明化改革型・制度整備

まとめ

外国人問題は単なるマナーの問題ではなく、

  • 安全保障(土地や資源の保護)
  • 経済政策(外国人労働者・投資との関係)
  • 観光戦略(インバウンドと地域負担の調整)
  • 地域共生(文化・自然・住民生活の保護)

といった幅広い政策領域に直結しています。

2025年の自民党総裁選では、候補者が 「規制を強めるのか」「共生を模索するのか」 そのスタンスをどう示すかが、大きな焦点となるでしょう。

有権者にとっても、「外国人問題への姿勢」は次期政権を選ぶ重要な判断材料になるはずです。

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