SCHDとは?
SCHD(Schwab U.S. Dividend Equity ETF)は、米国の大型配当株に投資する人気ETFです。配当の安定性や利回りの高さから、長期投資家の間で高い注目を集めています。信託報酬(経費率)はわずか0.06%と低コストで、VYMと並び「高配当ETFの代表格」といえる存在です。
分配金の仕組み
SCHDは年4回(3月・6月・9月・12月)に分配金を支払います。
これはETFそのもののルールなので、楽天証券・SBI証券など どの証券会社で購入しても同じスケジュールで入金 されます。
- 普通分配金:株式の配当をそのまま投資家に分配するもの。課税対象。
- 特別分配金:ETFの基準価額(投資元本)が下がった場合に払い出されるもので、元本の一部返還扱いとなり課税されない。
👉 特別分配金になるのは、ETFの収益以上に分配金を出しているときや、株価が大きく下落した場合など。長期ではあまり頻発しませんが、短期的に起こる可能性はあります。
特別分配金が出る原因
- 株価下落で含み益が減少したとき
- ETFが収益以上に分配したとき
- 運用上の調整によって元本の払い戻しが生じたとき
特別分配金は「実質的な利益」ではないため、課税されない一方で投資元本が減ることを意味します。投資家は分配金の性質(普通か特別か)を確認することが重要です。
SCHDの主要構成銘柄とその業績
SCHDは米国の大型株の中でも「安定した配当を長期に渡って支払っている企業」を中心に構成されています。構成上位には、景気変動に強く、利益やキャッシュフローが安定した企業が多いのが特徴です。
Texas Instruments(テキサス・インスツルメンツ)
- 業種:半導体(アナログICの大手)
- 特徴:スマホ、自動車、産業機械向けに欠かせない半導体を提供。景気に左右されにくい分野で強みを持ち、営業利益率は40%前後と高水準。
- 配当:20年連続増配中。キャッシュフローを配当にしっかり還元する株主還元姿勢が評価されている。
Amgen(アムジェン)
- 業種:バイオ医薬品
- 特徴:がんや免疫疾患治療薬を主力とし、研究開発型で高い利益率を誇る。直近ではバイオ医薬品市場の拡大を背景に売上高が増加傾向。
- 配当:2011年に配当を開始して以降、毎年増配を継続。製薬業界の中でも安定配当銘柄として人気。
Broadcom(ブロードコム)
- 業種:半導体・インフラソフトウェア
- 特徴:データセンターやスマホ向け半導体で世界的なシェアを持ち、クラウドやAI需要の拡大で業績が好調。近年はソフトウェア事業にも拡大。
- 配当:2010年以降大幅に増配しており、増配率は米国企業の中でもトップクラス。
Cisco Systems(シスコシステムズ)
- 業種:通信機器・ネットワーク機器
- 特徴:インターネットの基盤を支えるルーター・スイッチの大手。クラウドやセキュリティ関連需要が収益を下支えしている。
- 配当:2011年から配当開始。配当性向は50%程度と余力があり、安定的な支払いが期待できる。
Home Depot(ホームデポ)
- 業種:住宅リフォーム・建材小売
- 特徴:米国最大のホームセンター。DIY需要や住宅リフォーム需要に支えられて安定成長。住宅ローン金利上昇の影響はあるが、景気回復時には強さを発揮。
- 配当:40年以上の増配実績を持ち、米国の配当貴族銘柄のひとつ。
まとめ
SCHDは、安定した配当と低コスト運用で人気の米国ETFです。
- 年4回の分配金はどの証券会社でも同じスケジュール
- 普通分配金と特別分配金の違いを理解しておくことが重要
- 実際の違いは証券会社ごとの「受け取り方法」や「為替コスト」
長期投資で配当を重視する人にとって、SCHDは有力な選択肢のひとつといえるでしょう。
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