宅建試験の中でも「難しそう」と敬遠されがちな「法令上の制限」。でも実は、内容はシンプルで、出題パターンも決まっています。見慣れない用語や数字のひっかけに注意すれば、確実に得点できる暗記科目。今回は、「土地の取得」「宅地の造成」「建物の建築」という3ステップに分けて、登場する主要な法律を整理し、法令上の制限の全体像をスッキリ解説します!
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土地を取得する際の法令制限
土地の取得段階では、投機や地価高騰、乱開発を防ぐために「国土利用計画法」が適用され、一定規模以上の取引には届出や許可が必要。また、取得する土地が農地である場合は「農地法」により、農業保護の観点から転用や売買に許可が必要です。宅建試験ではこの2つが頻出です。
土地取得に関する2つの重要法令
土地を取得する際には、次の2つの法律がポイントです:
- 国土利用計画法
→ 地価の高騰や乱開発を防ぐため、一定規模以上の取引に届出が必要です。 - 農地法
→ 農地を住宅地に転用するには、農業委員会などの許可が必要です。
農地の保護と食料安定供給が目的です。
この2つは宅建試験でも基本中の基本。数字や届出対象の規模に注意して覚えましょう。
宅地を造成する際の法令制限
宅地を造成する際には、開発行為が都市計画上適切かどうかを判断する「都市計画法」に基づく許可が必要です。あわせて、道路や公園など公共施設の整備と住みやすい街づくりを目的とする「土地区画整理法」も重要です。さらに、盛土による造成工事の安全性を確保するため「盛土規制法(宅地造成及び特定盛土等規制法)」も適用されます。
宅地造成で重要な3つの法律
土地を宅地として使うための造成工事には、以下の法律による制限があります:
- 都市計画法
→ 開発行為が都市の整備に適しているかを判断。開発許可が必要な場合あり。 - 土地区画整理法
→ 公共施設の整備や土地の合理的利用のために造成計画に許可制限あり。 - 盛土規制法(宅地造成及び特定盛土等規制法)
→ 土砂災害や崩壊を防ぐため、盛土などの工事に安全基準が設けられています。
これらの法律は、単なる知識ではなく実務にも直結する重要事項。数字や許可対象に注意して押さえましょう。
建物を建築する際の法令制限
建物の建築には、「建築基準法」に基づく様々な制限があります。これは、建築物の安全性・居住性を一定以上に保ちつつ、都市全体の秩序を守るための法律です。建物の高さ・用途・構造などの基準を設けることで、住民の生命や健康、財産を守る役割を果たします。宅建試験では「建築基準法」がこの段階での中心的な出題対象です。
建物の建築には「建築基準法」が最重要!
建物を建てる際には、建築基準法によって以下のような制限があります:
- どんな建物を建ててよいか(用途地域による用途制限)
- どのくらいの高さや大きさまでよいか(建ぺい率・容積率)
- 構造や設備に関する安全基準(耐震、避難経路など)
この法律は、建築物の最低限の安全性と快適性を確保し、都市全体の整備をサポートするためのルールです。
宅建試験では、出題数こそ少ないものの、重要度が高く、得点に差が出やすいポイントです。
土地の利用3ステップに対応する法令制限
宅建試験で問われる「法令上の制限」は、土地の取得から建物の建築までの流れに対応しています。
- 土地を取得する段階
➡ 投機的な取引や無秩序な開発を防ぐために
⇒【国土利用計画法】【農地法】で制限 - 宅地を造成する段階
➡ 計画的な開発・公共施設の整備、安全な造成を図るために
⇒【都市計画法】【土地区画整理法】【盛土規制法】で制限 - 建物を建築する段階
➡ 建築物の安全・快適性、周辺環境への配慮のために
⇒【建築基準法】で制限
これらはそれぞれ異なる目的と制限内容を持っており、覚える法律の「対応フェーズ」を意識することで整理しやすくなります。
土地利用の流れと法令制限の対応関係
フェーズ | 主な目的 | 該当する法律 | 試験対策ポイント |
---|---|---|---|
土地を取得 | 無秩序な取引防止・農地の保護 | 国土利用計画法/農地法 | 届出・許可が必要な面積や条件を正確に覚える |
宅地を造成 | 都市開発の適正化/公共施設の整備/安全確保 | 都市計画法/土地区画整理法/盛土規制法 | 開発許可・造成制限の範囲を押さえる |
建物を建築 | 安全性・快適性の確保と都市の秩序維持 | 建築基準法 | 用途地域・建ぺい率・容積率など具体数値に注目 |
まとめ:法令上の制限は宅建試験の得点源
法令上の制限は、宅建試験において頻出ながら敬遠されがちな分野です。しかし、実際には覚えるべきポイントが明確で、正確な知識さえあれば安定して得点できる暗記科目。
土地の取得・宅地造成・建物建築という3段階に対応した法律(国土利用計画法、農地法、都市計画法、土地区画整理法、盛土規制法、建築基準法)を軸に、それぞれの目的や届出・許可の必要性を理解することが得点アップの近道です。
数字や対義語(以上/超など)の正確な知識がひっかけ問題対策の鍵となります。一緒に頑張りましょう!!
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