イフプランを立てるうえで、「将来の目標に向けていくら準備すればいいのか?」を計算する場面はたくさんあります。そこで登場するのが「6つの係数」。これらはお金の「時間的価値」を考えるうえで欠かせない道具です。今回はFP試験でも頻出の「6つの係数」について、意味・使い方・見分け方をわかりやすく解説します。
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6つの係数の一覧と使い分け
そもそも「係数」って何?
係数とは、将来のお金の価値を現在の金額に換算したり、一定期間にわたる金額の積み立て・取り崩しを計算するための数値です。複利計算を簡単にしてくれる「表」だと考えましょう。
名称 | 用途 | キーワード |
---|---|---|
終価係数 | 今あるお金が将来いくらになるか | 将来いくらになる? |
現価係数 | 将来必要なお金を今いくら用意すべきか | 今いくら用意する? |
年金終価係数 | 毎年一定額を積み立てたら将来いくらになるか | 積立→将来の合計 |
年金現価係数 | 将来毎年もらうために、今いくら必要か | 今→将来の分割受取 |
減債基金係数 | 将来必要なお金を積立で準備するには毎年いくら? | 将来のための積立額 |
資本回収係数 | 今あるお金を分割で取り崩すと毎年いくら? | 分割で取り崩す |
たとえば「5年後に100万円が必要。そのためには今いくら用意すべき?」という問題なら「現価係数」を使います。
逆に「100万円を5年間で取り崩したい。毎年いくら使える?」という場合は「資本回収係数」です。
終価係数(しゅうかけいすう)
意味: 毎年一定の利率でお金を運用したとき、将来いくらになるかを計算する係数。
使い方:「今ある○万円が将来いくらになるか」を知りたいとき。
計算例:
100万円を年利3%で5年間運用すると?
→ 終価係数(5年・3%)=1.159
→ 100万円 × 1.159 = 115.9万円
👉 5年後には約115.9万円に増える!
現価係数(げんかけいすう)
意味: 将来受け取るお金が、現在の価値でいくらかを求める係数。
使い方:「将来の100万円は、今の価値でいくら?」と考えるとき。
計算例:
5年後に100万円もらう予定。年利3%の現在価値は?
→ 現価係数(5年・3%)=0.863
→ 100万円 × 0.863 = 86.3万円
👉 今の価値にすると86.3万円になる。
年金終価係数(ねんきんしゅうかけいすう)
意味: 毎年一定額を積立てた場合、将来いくらになるかを計算する係数。
使い方:「毎年○万円積み立てると、○年後にいくら貯まる?」
計算例:
毎年20万円を5年間、年利3%で積立てると?
→ 年金終価係数(5年・3%)=5.309
→ 20万円 × 5.309 = 106.18万円
👉 5年間で約106.18万円になる!
減債基金係数(げんさいききんけいすう)
意味: 将来必要な金額を準備するために、毎年いくら積み立てるべきかを求める係数。
使い方:「5年後に100万円必要。毎年いくら積み立てればいい?」
計算例:
5年後に100万円必要。年利3%で積立てると?
→ 減債基金係数(5年・3%)=0.188
→ 100万円 × 0.188 = 18.8万円
👉 毎年18.8万円を積み立てればOK!
資本回収係数(しほんかいしゅうけいすう)
意味: 今あるお金を運用しながら毎年一定額ずつ取り崩したら、○年間でなくなるようにするには?
使い方:「100万円を5年間で取り崩すには、毎年いくら受け取れる?」
計算例:
100万円を年利3%で運用しながら5年で使い切る場合
→ 資本回収係数(5年・3%)=0.218
→ 100万円 × 0.218 = 21.8万円
👉 毎年21.8万円ずつ受け取れる!
年金現価係数(ねんきんげんかけいすう)
意味: 将来毎年受け取る一定額の年金に対して、現在の価値(今準備すべき金額)を求める係数。
使い方:「毎年20万円もらうには、今いくら準備すればいい?」
計算例:
毎年20万円を5年間受け取りたい。年利3%で準備する場合
→ 年金現価係数(5年・3%)=4.580
→ 20万円 × 4.580 = 91.6万円
👉 今91.6万円あれば、5年間毎年20万円受け取れる!
まとめ:6つの係数は覚えておくと便利
6つの係数は、すべて「お金の時間価値」に関する道具です。それぞれの意味と使い分けを理解しておけば、ライフプランの計算がぐっと楽になります。
FP試験でも頻出のため、意味・用途をキーワードとともにしっかり押さえましょう!
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