目的:買主保護のための資力確保義務
- 宅建業者が自ら売主となって新築住宅を引き渡す場合は、瑕疵担保責任を履行するための資力(お金の備え)確保が義務。
- 2つの方法:
- 保証金の供託
- 保険加入(住宅販売瑕疵担保責任保険)
※買主が宅建業者の場合、媒介・代理の宅建業者の場合は義務なし。
新築住宅の定義
条件 | 新築扱い? |
---|---|
1年以内・未使用 | 新築住宅 |
1年以内・使用済み | × |
1年超・未使用 | × |
※対象は持ち家・賃貸住宅のみ。事務所・倉庫などは含まない。
対象となる瑕疵担保責任(10年)
- 対象部分:
- 構造耐力上主要な部分(基礎、壁、柱など)
- 雨水の侵入を防止する部分(屋根、外壁など)
- 買主の請求権:
- 損害賠償
- 契約解除
- 追完請求
- 代金減額請求
資力確保措置の届出義務
- 毎年3月31日(基準日)時点で新築住宅を引き渡した宅建業者は、以下を3週間以内に免許権者に届出。
届出内容:
- 基準日までの過去10年間に引き渡した新築住宅の戸数
- そのうち「供託」で対応した戸数
- 「保険加入」で対応した戸数
- 届出違反の罰則:50万円以下の罰金
- 措置も届出も怠った場合:50日経過後から契約締結禁止
→ 違反した場合:1年以下の懲役 or 100万円以下の罰金、または併科
住宅販売瑕疵担保保証金(供託)
- 対象者:保証金による資力確保を選んだ宅建業者
- 供託期限:毎年3月31日〜3週間以内
- 供託先:主たる事務所の最寄りの供託所
- 供託額:過去10年で引き渡した新築住宅の総戸数に応じた金額
※保険対応済の戸数は除く
※床面積55㎡以下は「2戸で1戸」とカウント - 供託方法:金銭または有価証券(国債100%、地方債90%、その他80%)
- 不足があれば2週間以内に追加供託+免許権者に届出
- 契約前に、書面で供託所の所在地等を説明(電磁的提供可)
住宅販売瑕疵担保責任保険
- 対象者:保険による資力確保を選んだ宅建業者
- 保険加入要件:
- 保険金額:2,000万円以上
- 有効期間:引渡し日から10年以上
- 保険料:宅建業者(売主)が支払い
- 通常は業者が保険金を請求
→ 業者が倒産等で責任履行しない場合:買主が請求可能 - 保険契約の変更・解除には国交大臣の承認が必要
◆ 指定住宅紛争処理機関
- 対象:瑕疵担保保険付き新築住宅等における欠陥トラブル
- 当事者の一方または双方の申請により、
- あっせん
- 調停
- 仲裁
を行う
試験で狙われやすいポイント(頻出注意!)
- 「新築住宅の定義」=1年以内+未使用
- 「資力確保義務」は媒介・代理業者、買主が業者の場合なし
- 「保証金 or 保険」選択は業者が決める
- 「届出義務違反」と「資力措置なし」→ 50日後の契約禁止+罰則
- 「保険は宅建業者が契約者」=買主ではない
- 「供託不足」→2週間以内に補充+届出
- 「指定住宅紛争処理機関」=裁判外で解決可能
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