【宅建業法】保全措置・手付解除など「8種規制」を完全整理|試験対策用まとめ

宅建

宅建業者が自ら売主となる場合、宅建業法で「8種規制(8種制限)」が課されます。これは、買主が宅建業者でない一般消費者である場合にのみ適用される特別ルールです。出題頻度が高く、1問丸ごと出されることもあるため、確実に押さえておきましょう。


1.「8種規制」とは?

規制が適用される関係→売主:宅建業者 / 買主:宅建業者ではない

❌ 適用されないケース:

  • 売主も買主も宅建業者
  • 売主が宅建業者ではない
  • 媒介契約(売主でない)

🔑2.8つの規制一覧

番号内容
クーリング・オフ(別途解説)
手付金等の保全措置
手付金額の制限
契約不適合責任
他人物売買の制限
損害賠償額の予定・違約金の制限
割賦販売契約の制限
所有権留保の禁止

3.手付金等の保全措置

▶ 保全措置が必要な条件

物件の状態条件保全方法
未完成5%超 & 1,000万円超保証機関 or 保険会社
完成10%超 & 1,000万円超上記+指定保管機関

※ 上記金額以下なら保全措置不要(登記済みも不要)

📌 移転登記後や、受領額が条件以下なら保全措置は不要。


4.手付金額の制限(解約手付)

  • 宅建業者は代金の2割を超える手付を受け取れない
  • 2割超は無効(不当利得で返還義務あり)
  • 中間金・内金は制限なし
  • 解約可能なタイミング:
状況売主買主
両者未着手倍額返還で解除OK放棄で解除OK
買主が着手済×放棄で解除OK
売主が着手済倍額返還で解除OK×

5.契約不適合責任(改正民法)

  • 宅建業者が自ら売主となる場合、民法の原則が強制適用
  • 任意の特約不可(買主に不利なものは無効)
  • 唯一有効な特約:通知期間を「引渡しから2年以上」とするもの
民法改正後の主なポイント
修補請求・代金減額が可能に
買主の悪意でも責任あり
責任追及は「知った時から1年以内」原則
売主が悪意・重過失なら「知ってから5年 or 引渡しから10年」まで延長

6.他人物売買の制限

宅建業者が自ら売主となるとき:

  • 自己所有でない物件は売買契約禁止
  • 例外:
状況契約OKになる条件
他人物契約・法令で将来取得が確実(予約もOK)
未完成物件保全措置を講じれば契約OK

📌 停止条件付き契約はNG(条件が成就するまで売買できない)


7.損害賠償額の予定・違約金の制限

  • 合算で代金の2割超は無効(超過部分のみ)
  • 実損が予定額より大きくても、請求は予定額まで
  • 宅建業者間では制限なし
  • 定めなければ、実損額の請求可能(証明必要)

8.割賦販売契約の制限

割賦販売=引渡後1年以上にわたって2回以上に分割して代金を払う契約

規制内容詳細
登記義務3割以上支払われるまで登記不要
催告義務支払い遅延時、30日以上の書面催告が必須(催告なし解除不可)
特約の制限「催告なしに解除」などの買主不利な特約は無効

9.所有権留保の禁止

  • 原則、宅建業者は所有権を引渡しまでに移転しなければならない
  • 例外:代金の3割未満の受領時は登記不要
  • 3割を超えた上で引渡し済みの物件を担保目的で再取得することは不可

🎯 試験対策ポイントまとめ

規制押さえるべき数字・条件
保全措置未完成5%/完成10% & 1,000万円超
手付金上限:代金の2割
不適合責任通知期限「引渡しから2年以上」の特約のみOK
他人物売買予約OK/停止条件NG
損害賠償予定上限2割/超過は無効
割賦販売書面催告30日以上が必須
所有権留保3割未満なら登記義務なし

8種規制は数字の整理と例外の把握がカギ。
引っかけ問題も多いため、過去問・練習問題で感覚を磨いておきましょう!

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