【無料】第28回キャリアコンサルタント試験の過去問:徹底解説付き キャリコン 2025.05.302025.06.10 第28回 学科試験 国家資格 キャリアコンサルタント試験過去問に挑戦! 問 1 「令和 5 年版男女共同参画白書」(内閣府)で示された、「令和モデル」に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。 令和5年版男女共同参画白書 「令和モデル」は、職業観・家庭観が大きく変化する中で、固定的性別役割分担を前提と した雇用慣行等を維持しつつ、全ての人が希望に応じて、家庭でも仕事でも活躍できる社 会への変革が実現した姿を表している。 男女ともに仕事と家事・育児等のバランスが取れた生活を送ることができるよう、長時間 労働の是正は急務であり、男性の育児休業取得の促進も必要である。 自分の希望が満たされ、能力を最大限に発揮して仕事ができる環境の整備は、まずは女性 において優先的に実現することが望ましい。 「年収の壁」に代表されるような、過剰な就労から女性を守る制度・慣行を維持すること が、女性の経済的自立を促す上で効果的である。 None 問 2 「令和5年雇用動向調査」(厚生労働省)で示された、令和5年1年間における就業形態別の労働移動者に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。 令和5年雇用動向調査 一般労働者の入職率で最も高いのは「情報通信業」である。 一般労働者の離職率で最も高いのは「生活関連サービス業、娯楽業」である。 パートタイム労働者の入職率で最も高いのは「宿泊業、飲食サービス業」である。 パートタイム労働者の離職率で最も高いのは「医療、福祉」である。 None 問 3 「令和 5 年度能力開発基本調査調査結果の概要(個人調査)」(厚生労働省)で示された、労働者のキャリアコンサルティング経験に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。 令和5年度能力開発基本調査 令和 4 年度中にキャリアコンサルティングを受けた者は、正社員では 4 人に 1 人の割合に 達している。 キャリアコンサルティングの実施機関としては、「企業内の職場の上司・管理者」よりも、 「企業外の機関等(再就職支援会社やキャリアコンサルティングサービス機関等)」の方が 多い。 キャリアコンサルティングを通じて「仕事に対する意識が高まった」とする回答の方が「自 分の目指すべきキャリアが明確になった」よりも多い。 キャリアコンサルタントに相談したい内容で最も多いのは、正社員では「職場の人間関係」 である。 None 問 4 サビカス(Savickas, M. L.)の提唱するキャリア構築理論に関する次の記述のうち、 不適切なものはどれか。 キャリア・アダプタビリティは、関心(Concern)、コントロール(Control)、好奇心 (Curiosity)、自信(Confidence)で構成される。 人と環境の適合性は、変化する動的なものであり、個人の解釈や理解によって異なる主観 的なものである キャリアカウンセリングの実践においては、クライエントの内面に既に存在する自己を実 現することが重要である。 キャリア構築インタビューには、「3 歳から 6 歳までに起きた 3 つのストーリーを聞かせ てください」などの特定の質問がある。 None 問 5 パーソンズ(Parsons, F.)の職業選択理論に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。 「産業構造の変化や雇用慣行の変化、経済の停滞などにより、中年期のキャリア支援の必 要性が強く認識される」ようになったという、当時の背景に基づいて提唱された。 「急激な経済成長により都市部に集中した労働者を、より効率的に適職に導く」という当 時の社会的課題の解決を意図して提唱された。 「社会的変化が激しく、先の見通しが立ちにくいなか、従来の計画的なキャリア形成が困 難になってきている」という当時の風潮のもと提唱された。 「本人が置かれている社会経済的な文脈や文化が無視されがちであった」という当時の認 識のもと提唱された。 None 問 6 ホール(Hall, D. T.)の理論に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。 プロティアン・キャリアは、組織によってではなく個人によって形成されるものである。 プロティアン・キャリアは、移り変わる自身の価値観に対して、他者志向的に変幻してい くキャリアといえる。 キャリアは組織で何をすべきかを考えることで形成されていくとする、組織的なアプロー チをとっている。 プロティアン・キャリアを形成していくにあたって必要なメタ・コンピテンシーは、自尊 感情である。 None 問 7 ホランド(Holland, J. L.)の理論に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。 個人と環境を同一の 8 類型に整理し、個人と環境の類型が同一であることによって、より 安定した職業選択がもたらされるとした。 現実的職業領域は、機械や物体を対象とする具体的で実際的な仕事や活動の領域を指す。 企業的職業領域は、人と接したり、人に奉仕したりする仕事や活動の領域を指す。 職業興味類型の関連性は距離で表現でき、対角線上にある領域は類似の興味を示す。 None 問 8 スーパー(Super, D. E.)のライフステージと発達課題に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか 人生全体の発達段階をミニサイクルとしたとき、各年代のそれぞれに成長、探求、確立、 維持、解放(衰退、下降)のマキシサイクルがある。 人は、生涯においていくつもの大きな役割(子供、学生、余暇人、市民、労働者、家庭人、 年金生活者など)を演じる。 現実的な自己概念を持つことが、成人中期(45~65 歳)の成長過程で求められる発達課 題である。 他者との関わり方を学ぶことが、成人後期(65 歳以上)の成長過程で求められる発達課題 である。 None 問 9 動機づけに関する次の記述のうち、適切なものはどれか。 マズロー(Maslow, A. H.)は、人間の欲求を「生理的欲求」、「安全の欲求」、「所属と愛 情の欲求」、「自尊と承認の欲求」の 4 つに分類した。 マクレランド(McClelland, D. C.)は、職場における社会的欲求を、「達成欲求」、「権力 欲求」、「親和欲求」に分類し、達成動機が強ければ強いほど自己実現が促進されるとした。 アルダファ(Alderfer, C. P.)は、人間の欲求を「存在欲求」、「関係欲求」、「成長欲求」 の 3 つの階層に集約し、高次・低次の欲求が同時に生じることもあるとした。 ハーズバーグ(Herzberg, F.)は、給与や作業条件などの衛生要因が十分に満たされれば、 従業員の仕事への積極性が高まることを明らかにした None 問 10 次の記述のうち、マーシャ(Marcia, J. E.)が示したアイデンティティ・ステイタスの 「アイデンティティ拡散」に関する記述として、適切なものはどれか。 幼児期からのあり方について確信がなくなり、いくつかの可能性について本気で考えた末、 自分自身の解決に達して、それに基づいて行動している。 自分の目標と親の目標の間に不協和がなく、どんな体験も、幼児期以来の信念を補強する だけになっており、硬さ(融通のきかなさ)が特徴である。 いくつかの選択肢について迷っているところで、その不確かさを克服しようと一生懸命努 力している。 危機前においては、今まで本当に何者かであった経験がないので、何者かである自分を想 像することができず、危機後においては、すべてのことが可能だし可能なままにしておか なければならない。 None 問 11 カウンセリングの理論や心理療法の名称、その提唱者に関する次の記述のうち、組み合わせとして適切なものはどれか。 エリス(Ellis, A.)、エゴグラム デュセイ(Dusay, J. M.)、ゲシュタルト療法 フランクル(Frankl, V. E.)、ロゴセラピー(実存分析) 吉本伊信、論理療法 None 問 12 交流分析に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。 交流分析は、アメリカの精神科医バーン(Berne, E.)によって提唱された。 「親」、「子ども」、「成人」の 3 つの自我状態を想定し、それらに配分される心的エネルギ ーを図示する方法としてエニアグラムが開発された。 対人的コミュニケーションを、「相補的交流」、「交叉的交流」、「裏面的交流」の 3 つのいずれにあたるかを分析する。 他者と言葉を交わしたり、視線を合わせたりすることは、相手の存在を認めるサインであり、これをストロークという。 None 問 13 在職者等の学び・学び直しの促進のための公的な支援策に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか 社内検定認定制度は、個々の企業や団体が、そこで働く労働者を対象に自主的に行ってい る検定制度のうち、一定の基準を満たし、技能振興上奨励すべきと認めたものを厚生労働 大臣が認定する制度である。 キャリア形成・リスキリング推進事業は、労働市場情報や職業・教育訓練等に関する情報 を活用し、ハローワークの機能を強化する形で、在職時からキャリアアップに関する継続 的な相談支援が行えるよう、必要な体制整備を図ったものである。 教育訓練給付講座検索システムでは、教育訓練給付制度の対象となる講座及び教育訓練施 設の情報について、受講希望者がインターネットを活用して迅速かつ的確に検索・選択す ることができる。 キャリアコンサルタント検索システム(キャリコンサーチ)は、企業担当者や個人と、学 び直しの支援経験のあるキャリアコンサルティング職種の技能検定 1 級または 2 級技能士 とのマッチングを支援するシステムである。 None 問 14 「令和 5 年度能力開発基本調査」(厚生労働省)で示された、労働者のキャリア形成支援に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。 令和5年度能力開発基本調査 正社員以外を雇用する事業所において、正社員以外にキャリアコンサルティングを行うし くみがある事業所は、50%を下回っている。 キャリアコンサルティングを行うしくみを導入している事業所のうち、「正社員」にキャリ アコンサルティングを行う上で問題があるとする事業所は、50%を下回っている。 ジョブ・カードの認知状況について、「内容を含めて知っており活用している」と回答した 事業所は、20%を上回っている。 労働者の主体的なキャリア形成に向けて実施した取組について、「キャリアコンサルティ ングの実施」と回答した企業は、20%を上回っている。 None 問 15 教育訓練給付制度に関する次の記述のうち、不適切なものはどれか。 教育訓練給付制度は、厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了した際に、受講費用の一部 が支給される制度である。 教育訓練給付金は、在職中かつ雇用保険の被保険者でないと受給することができない。 教育訓練は、そのレベル等に応じて、専門実践教育訓練、特定一般教育訓練、一般教育訓 練の 3 種類がある。 専門実践教育訓練について、受講前にジョブ・カードを活用したキャリアコンサルティン グを受けなければ、「専門実践教育訓練給付金」を受給することができない None 問 16 ハロートレーニング(公的職業訓練)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。 離職者訓練は、主に雇用保険を受給できない求職者を対象としており、一定の要件を満た す場合は、職業訓練受講給付金を受給できる。 求職者支援訓練は、主に雇用保険受給者を対象としており、雇用保険を受給しながら職業訓練を受講することができる。 求職者支援訓練の実施機関は、国(ポリテクセンター)や都道府県(職業能力開発校)である。 ハロートレーニングの受講費用は、基本的に無料である。 None 問 17 次の記述のうち、「公正な採用選考の基本」(厚生労働省)で示された、就職差別に繋がる恐れがあるとして採用選考時に配慮すべき把握項目に当たらないものはどれか。 家族に関すること 住宅状況に関すること 現住所の略図を求めること 自覚している性格に関すること None 問 18 企業における人材開発に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。 人材開発の役割として、経営戦略を遂行するために企業が求める能力と、既存の人材が持 つ能力とのギャップを埋めることが挙げられる。 OJT はどのような上司、先輩がその指導役を担ったとしても成果に大きな差異が生じない ため、多くの企業において職業能力開発の場面で最も多く実施されている。 日本の多くの企業では、将来の自社を担う経営幹部、管理職、専門職に重点をおいて育成 することを、キャリア開発としている。 CDP(キャリア・ディベロップメント・プログラム)とは、企業が用意する Off-JT によ る研修等のメニューを体系的に示したものである。 None 問 19 「副業・兼業の促進に関するガイドライン」(厚生労働省、令和 4 年改定)で示された、副業・兼業における企業の対応に関する次の記述のうち、不適切なものはどれか。 副業・兼業の届出等の際に、副業・兼業の内容について労働者の安全や健康に支障をもた らさないか確認するとともに、副業・兼業の状況の報告等について労働者と話し合ってお くこと。 副業・兼業を行う労働者に対して、業務上の秘密となる情報の範囲や、業務上の秘密を漏 えいしないことについて注意喚起すること。 他社の労働者を自社でも使用する場合には、当該労働者が当該他社に対して負う競業避止 義務に違反しないよう確認や注意喚起を行うこと。 労働者の副業・兼業が形式的に就業規則の規定に抵触する場合は、懲戒処分を行う旨を就 業規則に明記し、程度・態様に関わらず処分を行うこと。 None 問 20 「労働力調査(基本集計)2023 年(令和5年)平均結果」(総務省統計局)で示された、わが国の労働市場の変化に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。 自営業主・家族従業者数は 2013 年以降増加している。 2013 年から 2023 年にかけて、女性雇用者に占める非正規雇用の割合はおおむね減少傾 向にあるものの、2023 年時点では、依然として 5 割を超えている。 高齢者の就業率(65 歳以上人口に占める就業者の割合)は 2013 年以降減少している 役員を除く雇用者のうち、有期の契約は前年比で 10 万人以上減少している。 None 問 21 「令和 6 年版労働経済の分析」(厚生労働省)で述べられた、労働者を取り巻く環境の動向に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。 令和6年版労働経済の分析 2023 年調査において、我が国の年次有給休暇取得率は、50%を下回っている。 2023 年において、我が国の現金給与総額は前年比で上昇し、物価上昇分を上回ったため、実質賃金も前年比で増加した。 我が国において労働分配率は、景気拡大局面においては低下し、景気後退局面には上昇する特徴がある。 2023 年において、労働組合員数、パートタイム労働者の労働組合員数は、共に3年連続で減少した None 問 22 「令和 6 年版男女共同参画白書」(内閣府)において示された、わが国の女性の就業状況に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。 2023 年において、我が国の管理的職業従事者に占める女性の割合は、30%以上である 女性の年齢階級別正規雇用比率が、20 代後半をピークに 30 代から右肩下がりになる特徴を、「M 字カーブ」という。 我が国で第 1 子出産前に就業していた女性の就業継続率(第 1 子出産後)は、50%を下回 っている 一般労働者のうち、正社員・正職員の男女の所定内給与額をみると、男性の給与水準を 100 としたときの女性の給与水準は 70%台にとどまっている。 None 問 23 雇用保険制度に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。 雇用保険では、事業の業種や規模によらず、すべての労働者が適用を受け、暫定任意適用 事業は存在しない。 雇用保険では、31 日以上引き続き雇用されることが見込まれ、かつ 1 週間の所定労働時間 が 20 時間以上である者は被保険者となる。 雇用保険二事業は、職業生活の円滑な継続を援助、促進することを目的とした「高年齢雇 用継続給付」、「介護休業給付」を指す。 雇用保険料率は、労働者負担と事業主負担ともに同率である。 None 問 24 年次有給休暇に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか 週 1 日勤務の非正規労働者についても、6 か月継続勤務し、出勤率が 8 割以上であれば、 年次有給休暇の権利が与えられる。 全労働日の 8 割以上出勤することが年次有給休暇取得の要件とされるが、育児休業取得期 間は出勤したものとみなされない。 時季変更権の行使にあたり、年次有給休暇の使途を尋ねることはさしつかえない。 時間単位で年次有給休暇を制度化するためには、労使協定を締結する必要がある。 None 問 25 労働基準法上の労働時間に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 労働基準法上、労働時間に該当するか否かは、労働契約、就業規則等の定めに従う。 所定労働時間外に行われる企業外の研修・教育活動等は、実作業でないため、いかなる場 合であっても労働基準法上の労働時間に該当しない。 警備業務に従事する労働者の仮眠時間は、実作業を伴わなくても警報が鳴った場合の対応 が義務づけられる場合には、労働基準法上の労働時間に該当する。 飲食店等で、客の来店時の即時対応が義務付けられていたとしても、客がいないために雑 談などして働いていない時間は、労働基準法上の労働時間に該当しない。 None 問 26 労働者災害補償保険制度に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 労働者災害補償保険制度に関する費用は、原則として労働者の負担する保険料によってま かなわれている。 労働者災害補償保険は、5 人以下の労働者を使用する事業所には適用されない 労働者災害補償保険法が適用される労働者に、アルバイトやパートタイマーは含まれない。 労災年金給付等の算定の基礎となる給付基礎日額は、毎月勤労統計の平均給与額の変動等 に応じて、毎年自動的に変更されている。 None 問 27 「キャリア・パスポート」に関する次の記述のうち、不適切なものはどれか。 「キャリア・パスポート」は、教師にとっては、その記述をもとに対話的にかかわること によって、児童生徒の成長を促し、系統的な指導に資するものである。 「キャリア・パスポート」は、児童生徒にとっては、自らの学習状況やキャリア形成を見 通したり振り返ったりして自己評価するものである。 「キャリア・パスポート」は、導入後、すべての小・中・高等学校で作成・活用されている。 「キャリア・パスポート」は、各地域・各学校における実態に応じ、学校間で連携しなが ら、柔軟な工夫を行うことが期待されている。 None 問 28 「インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方」(文部科学省・厚生労働省・経済産業省、令和 4 年一部改正)で示された、インターンシップの意義に関する次の記述のうち、不適切なものはどれか。 インターンシップは企業等にとって、学生の仕事に対する能力を適正に評価するとともに、 採用選考活動時における評価材料を取得することができる。 インターンシップであるオープン・カンパニーは、企業等の実態について学生の理解を促 す一つの契機になり、自社の魅力発信としても有益な取組となる。 インターンシップは、大学等における教育内容・方法の改善・充実につながり、学生の新 たな学習意欲を喚起する契機となることも期待できる。 インターンシップは、学生が自己の職業適性や将来設計について考える機会となり、主体 的な職業選択や高い職業意識の育成が図られる。 None 問 29 「生徒指導提要(改訂版)」(文部科学省、令和 4 年)で示された、生徒指導とキャリア教育に関する次の記述のうち、不適切なものはどれか。 キャリア教育は生徒指導とは異なる機能をもつ、児童生徒の社会的自己実現を支える唯一 の教育活動であり、生徒指導においては、両者の異なる作用を理解した上で、個別の取り組みが大切である 生徒指導では、日頃から児童生徒の社会的自立に向けた支援を行うことはもとより、生涯 を見通したキャリア教育や適切な進路指導を行うことも大切である。 中途退学を余儀なくされる状態を未然に防ぐためには、生徒指導、キャリア教育・進路指 導が連携し、小・中学校の段階も含め、生活、学業、進路のそれぞれの側面から社会的・ 職業的自立に向けて必要な基盤となる資質・能力を身に付けるように働きかけることが大切である。 生徒指導、進路指導・キャリア教育は、ガイダンスという範疇では同一の機能を持ってお り、進路の課題と生活の課題はつながっているという意識の下で支援を行うことが求められる。 None 問 30 発達障害のある人の特徴的な傾向や状況に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。 ADHD(注意欠如・多動性障害)のある人は、仕事に集中できない、仕事を先延ばしにし てしまい間に合わない、ケアレスミスが多い、机の上が常に散らかっているなどの傾向が みられる。 SLD(限局性学習障害)のある人は、必要な資料やマニュアルが読めない、時間がかかる、 メモなどをとることができない、などの傾向がみられる。 ASD(自閉スペクトラム障害)のある人は、コミュニケーション不足から上司や同僚らと 衝突する、適切な距離をとった関係が作れない、自分のやり方に固執する、などの特徴が みられる。 発達障害のある人は、職場の不適応が引き金になってその障害の特徴がより顕著になるこ とはあるが、うつ病やパニック障害など、他の障害の特徴を示すことはほとんどない。 None 問 31 メンタルヘルスケアに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。 「職場における心の健康づくり(労働者の心の健康の保持増進のための指針)」(独立行政 法人労働者健康安全機構、2024 年)によれば、メンタルヘルスケアは、「セルフケア」、 「同僚によるケア」、「ラインによるケア」、「事業場外資源によるケア」の 4 つのケアに基づき展開される。 「令和 5 年 労働安全衛生調査(実態調査)の概況」(厚生労働省)によれば、職業生活に 関することで、強いストレスとなっていると感じる事柄で最も多いのは、「対人関係(セク ハラ・パワハラを含む。)」である。 ストレス反応は、心理的側面、行動的側面、身体的側面などに表れる。 事業者には、企業規模に関係なく、ストレスチェック制度を設けることが義務づけられている。 None 問 32 障害者への合理的配慮の事例に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか 合理的配慮指針事例集第三版 聴覚障害の従業員が円滑に仕事ができるように、手話通訳者・要約筆記者を配置する。 身体障害者が通勤時のラッシュを避けるため、勤務時間を変更する。 視覚障害者の採用試験の問題を点訳・音訳する。 障害者と健常者が同じ環境で働けるようにするため、机の大きさや高さは他の従業員とそ ろえる None 問 33 病気の治療と仕事の両立支援に関する次の記述のうち、適切なものの組み合わせはどれ か。 事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドラインA. 労働者本人から支援を求める申し出がなされたことを端緒に取り組むことが基本となるため、申し出が行いやすい環境整備が重要である。B. 支援においては、相談者が治療に専念できるように離職を促すと同時に、治療期間中の経済的不安を取り除くための支援機関等を案内し、必要に応じて担当者に連絡をする。C. 就労によって疾病の増悪、再発や労働災害が生じないよう、就業上の措置や治療に対する配慮を行うことが就業の前提となるが、仕事の繁忙等、特別な理由がある場合は例外として認められる。D. 症状や治療方法などは個人ごとに大きく異なるため、個人ごとに取るべき対応やその時期等は異なるものであり、個別事例の特性に応じた配慮が必要である。 AとB AとⅮ BとC CとⅮ None 問 34 キャリアコンサルティングにおける「キャリア」の意味や意義に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。 キャリアとは、「職業」や「職務」のことである。 キャリアは、ある時点での「転機」や「移行」を指す言葉である。 キャリアという概念は、「個人の内的世界」に焦点を当てている。 キャリアは、「時間的流れ」、「時の経過」という意味を含んでいる。 None 問 35 カウンセリングにおけるクライエントとの信頼関係(ラポール)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。 クライエントの自己成長力が働き始めるためには、カウンセラーとクライエントとの信頼 関係が必須である。 信頼関係とは、クライエント自身が脅かされず守られた感覚を持てること、ともに問題に取り組んでいけるという信頼感と意欲の醸成がなされる関係性のことである。 面接の初期段階で、クライエントの抱える問題の解決方法をできるだけ早く提案することが、信頼関係の構築につながる。 信頼関係をもとにして、語りや非言語メッセージからクライエントのニーズを的確に把握 するよう努めることで、カウンセリングへの動機づけにもつながる。 None 問 36 構成的グループエンカウンターに関する次の記述のうち、不適切なものはどれか。 「ふれあい」と「自他発見」をねらいとしている。 「構成的」とは、枠を与えるという意味である。 ゲシュタルト療法を理論的根拠としている。 治療的カウンセリングの手法として考案された。 None 問 37 オンラインで提供されるマイジョブ・カードにおけるキャリア・プラン作成補助シートに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。 マイジョブ・カード 学生、在職者、求職者等あらゆる属性でも、一つの様式で作成することができる。 自分のキャリアや価値観に近い記入例を調べられる「記入例」検索機能がある。 仕事を始めてから現在までをグラフで振り返ることができる「ライフラインチャート」作 成の機能がある。 キャリア・プラン作成補助シートの質問に答えることで、自分の価値観や、やりたいこと が明確になる。 None 問 38 カウンセリングにおける「見立て」に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。 見立てには、問題を同定すること、見通しを推察し治療目標の設定を図ることの 2 つの目 的がある。 問題の同定とは、クライエントの悩みや問題点が何で、どうして、またどのようにその問 題が形成されたのか、明らかにすることである。 問題の同定にあたっては、まず最初に精神医学的要因から検討する。 クライエントの問題や問題形成を考える際には、身体的要因、対人的・環境的要因、生育 史や性格的要因などを組み合わせて理解する。 None 問 39 job tag(職業情報提供サイト(日本版 O-NET))の「自己診断ツール」に含まれている心理テストに関する次の記述のうち、適切なものはどれか。 job tag(職業情報提供サイト:自己診断ツール) 職業適性テスト(G テスト)では、計算が必要な問題があるため、電卓を手元において受 検する。 職業興味検査は、就職の可能性や労働条件を考えずに、その作業をやってみたいかどうか、 直感的に思ったまま回答するとよい。 「しごとの価値観」は価値観検査であり、 設問にある仕事を現実的にできるかどうかをし っかりと判断しながら回答することで、より正確な検査結果を得ることができる。 作業性格テストでは、様々な作業場面についての質問に答えると、作業性格プロフィール が示される None 問 40 キャリアコンサルティングにおける「自己理解の支援」に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。 自己理解で最も大切なことは、相談者の肯定的な部分よりも否定的な部分に目を向けて振り返り、改善の方向性を考えることである。 ホランド(Holland, J. L.)は、人間のパーソナリティと環境は 8 つに分けられるという考えを理論化した。 価値観を明らかにするため、必要に応じて、適切な検査を相談者との合意に基づいて行うのが良い。 ジョブ・カードは、職業能力の見える化、職業能力の証明を目的にしており、自己理解の促進は目的としていない。 None 問 41 「職業理解・職業情報」に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。 職業理解とは、職業、産業、事業所、雇用・経済・社会状況を理解することである。 日本標準職業分類においては、自分が属する世帯の家業に従事している家族従業者が行う 仕事は、無給であれば職業とみなされない。 公的統計において、職業別統計をまとめるときは、日本標準職業分類を使用する。 厚生労働省編職業分類は、日本標準職業分類に準拠して設定されている。 None 問 42 職業体験の意義に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。 希望している職業について、イメージと合っているか、イメージどおりでなくとも許容範 囲内にあるか、気づいていなかった問題点はないかなどを確認できる。 トライアル雇用の場合は、職場体験に加え、当該事業所への円滑な就職も期待できる。 働くことの楽しさ、やりがい、厳しさに触れることは、特に定年退職者の職業意識の向上 や働く意義の理解の促進に対して有効である。 就職未経験者やブランクのある者においては、あらかじめ体験することで職業生活への円 滑な移行が期待できる。 None 問 43 システマティック・アプローチの一般的な指針に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。 キャリアコンサルタントは、ラポールづくりにおいては、クライエントと心理的な関係を 確立することよりも、クライエントの問題がどこにあるかを明らかにすることが望ましい。 キャリアコンサルタントには、クライエントが何を求めているかを認識する能力が求めら れる。 キャリアコンサルタントには、クライエント自身に学習理論に基づく宿題を考えさせる力 も必要である。 キャリアコンサルタントは、クライエント自身が持っている心配や困難などについてどの ような変容を望み、どうしたらそれらができるかを、クライエント自らが認識できるよう に支援する必要がある。 None 問 44 次の記述のうち、「将来、海外の大学院でマネジメントを学びたい」という目標を持つクライエント(大学生)への意思決定のプロセスでの対応として、最も適切なものはどれか。 現在の大学での学業がおろそかにならないよう、当面は目の前の授業に注力するように指 導し、目標の具体化は先送りにした。 大学生は情報収集力が十分ではないため、クライエントにとって最適な大学院をキャリア コンサルタントが判断し、情報収集を行ったうえでクライエントに紹介した。 語学力の向上に関しては短期的に達成可能な目標とともに中期、長期の目標を検討し、達 成したかどうかの基準を明確にしたスモールステップを一緒に検討した。 クライエントが考えた具体的行動が現実的に実行が難しいと感じても、クライエントの意 欲を尊重して背中を押した。 None 問 45 方策の実行に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。 応用行動分析に基づくならば、「仕事を探す気が起きない」と訴える求職者に対しては、「や る気がでない」ことの感情に焦点を当て、気持ちの整理や考え方の変容につながる介入を 行う。 クライエント中心療法に基づくならば、「事務職を希望する」と話す求職者に対しては、職 業ハンドブックなどに掲載される各種の事務職の特徴を解説し、具体的な求人を絞りこん で求職者に提示し、選んでもらう。 精神分析理論に基づくならば、「上司がどうしても好きになれない」と訴える求職者に対し ては、過去の経験よりも未来のありたい姿に向けて検討してもらう。 認知行動的アプローチに基づくならば、「社会人としてやっていけるか不安である」と訴え る大学生に対しては、不安が生じる自動思考を明確にし、より適切な思考を検討させる。 None 問 46 方策の実行後の支援に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。 目標の達成に向けた方策の実行後はクライエントの主体性に任せ、相談期間中であっても キャリアコンサルタントから進捗状況の確認を行うことは避けるべきである。 方策を実行した結果、目標を達成できなかった場合でも、目標は変えず、当初の計画どお りに実行できるように支援を行うことが望ましい。 目標が達成された場合でもすぐに支援を終了するのではなく、達成までのプロセスを振り 返らせたり、未達成の項目がないか確認したりするなど、フォローアップを行うことが望 ましい。 クライエントが新たな職場に就職したあとは本人の自立を促すため、クライエントから連 絡があっても安易に応じるべきではない。 None 問 47 「職場における学び・学び直し促進ガイドライン」(厚生労働省、令和4年6月)で示された、キャリアコンサルタントの推奨される取り組み例に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。 職場における学び・学び直し促進ガイドライン キャリアコンサルタントが、学び・学び直しを行う労働者に対して、定期的な声かけや相 談支援等により、学び・学び直しが進んでいるかを確認する仕組みを導入する。 学び・学び直しの継続に支障をきたしている者には、管理職等の現場リーダーが重点的に 指導するのがよく、キャリアコンサルタントによる支援は行わないほうが良い。 「ジョブクラフティング」は、労働者が学び・学び直しを前向きに捉え直す有効な手法で あり、よく訓練されたキャリアコンサルタントに限定した活用が想定されている。 キャリアコンサルタントは、企業と協働することなく、独自に学び・学び直しに関する支 援策等の制度を積極的に推進する役割と実力が求められている。 None 問 48 セルフ・キャリアドック実施後の結果や、結果を活かした環境への働きかけに関する次の記述のうち、適切なものの組み合わせはどれか。 「セルフ・キャリアドック」導入の方針と展開A. キャリアコンサルティング面談で組織的・全体的な課題の傾向を把握したが、セルフ・キャリアドックはあくまで個人面談の記録が主体なので、組織的な課題は除外して全体報告書を作成した。B. キャリアコンサルティング面談を行った社員だけでなく、その上司にもキャリア意識や仕事ぶりに変化が出たかどうかを定期的にモニターし、フォロー策や翌年度の改善を検討した。C. 同じ階層の社員にキャリアコンサルティング面談を行ったところ、特定の職種で同じような検討課題が出たため、人事部門と協働して改善策を講じ、またその経緯を経営層から発信するように働きかけた。D. キャリアコンサルティング面談の後に、対象社員の上司から「私からもアドバイスしたい」という熱心な申し出があったので、本人の同意は得ず面談内容や見立てをすべて共有した。 AとB BとC CとⅮ AとC None 問 49 キャリアコンサルタントの自己研鑽に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。 キャリアコンサルタントの質的向上のためには、テクニカルスキルに加え、プロフェッシ ョナルとしての自覚と責任や倫理といった、職業人としての人間的な資質の向上も重要で ある。 企業内キャリアコンサルタントは、人事部門との連携・協働、組織への働きかけに必要な 知識・技能を学ぶ必要がある。 キャリアコンサルタントとしてのキャリアの初期段階では、定期的にスーパービジョンを 受けるべきであるが、経験を積んだ後は、スーパービジョンを受ける必要はない。 国家資格試験に合格・登録した後も、多様な、そして現実的な状況に対応できるよう、継 続的学びによる資質向上と経験の蓄積が必要不可欠となる。 None 問 50 キャリアコンサルティングにおける多重関係に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。 キャリアコンサルタントとクライエントの関係が、「職場での上司と部下」等、専門家とそ れ以外の役割関係と重なっている状況は、多重関係と呼ばれる。 多重関係の弊害としては、キャリアコンサルタント-クライエント関係における中立性や 客観性が侵され、利害の対立や個人的な意見が絡む恐れがあることが挙げられる。 多重関係は専門家であるキャリアコンサルタントへのリスクをもたらすが、クライエント 側からは自己開示がしやすくなる。 以前から知っている人をクライエントとして受け入れた場合は、キャリアコンサルタント が予断や偏見を持ってしまう可能性がある。 None Time's up
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